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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 2-3
そうは言っても、遊びに訪れることのできる友人のいる教室もないし、よく知らない場所をひとりでふらふらとする気力もない。
……図書館で適当に時間潰そうかな。
昼休みに生徒会室に顔を出さなければ、高藤もそれはそれでほっとするのかもしれないし。
と、ごく自然と考えたところで、行人は自分の自虐的な思考に呆れた。自虐的というか、これでは、なんだか、勝手に悲劇の主人公ぶっているみたいで、そういう人間が、自分は一番嫌いなはずだった。
静かに溜息を呑み込んで、図書館に向かって足を速める。
自分は恵まれているのだ、と思う。アルファではないけれど、家族はみんな優しかった。
過剰に心配されることが嫌だったというだけで、オメガだからと蔑まれことはないし、アルファの兄に対するものと同じだけの愛情をもらって成長したと思っている。
この学園に入ったことも、――それは、まぁ、アルファの兄に負けたくないという意地も大きかったけれど、でも、最終的には自分の意志で決めたことで、それで、縁を大事にしたいと思うことのできる人たちに、会うことができた。
誰になんと言われようともそれは、自分が自分の努力で掴んだ財産だ。
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