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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 2-5
「たまに来るの?」
「え?」
「いや、図書室。俺もよく来てるってほどではないんだけど、行人と会ったことなかったなと思って」
「あ、えっと。……あんまり。その、最近は生徒会室によく行ってたんで」
「昼休みも?」
首を傾げたものの、それ以上を成瀬が問うことはなかった。ただ、「そっか」と静かにほほえむ。
「がんばってるんだな」
純粋にがんばっているわけではないのだという罪悪感に蓋をして、どうにか頷く。あまり邪魔をするわけにもいかないし、適当に本でも取ってこようかなと考えているうちに、数少なかった滞在者が席を立つ気配が続いた。
もう昼休みが終わる時間なのだろうかと時計に目を向けた行人に、小さく成瀬が笑った。
「行人、けっこうギリギリの時間に来たから。もうそろそろ終わるよ、昼休み」
「え」
「本当。戻る気があるなら準備しないと。途中でチャイム鳴るよ」
そう言いながらも、成瀬自身は片づける様子がない。
「あの……」
「ん?」
「その、成瀬さんは」
いいんですか、と問いかけた行人に、なんの気もない調子で、さぼることを成瀬は認めた。
「けっこう大目に見てくれるから、ここ。それに、もう俺たちは単位さえ落とさなかったらなにも言われないし」
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