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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 2-6
その説明に、一拍遅れて、ですよね、と呟く。
そうだった。この人たちは、本当にもうすぐ卒業してしまうのだ。
三年前、中等部にいた当時も、彼が卒業して高等部に上がってしまうことは寂しかった。けれど、あのときはまだ同じ学園内で繋がっていると思うことができた。あと二年経てば、また一緒に一年過ごすことができると思っていたから。
――でも、今度は、もう、そうじゃないんだよな。
それぞれ思い思いのところに進学をして、会うことなんてもっとできなくなってしまう。
これだってわかりきっていたはずのことで、覚悟もしていたつもりなのに、いざ当人にあっさりと言われてしまうと、なんだかたまらなく寂しかった。教室に戻るそぶりを見せることができないでいると、また成瀬が笑う。
「でも、まぁ、もし、行人が怒られたら、悩み相談受けてたことにしてもいいけど。一回くらいだったら、目も瞑ってもらえると思うよ」
「……ありがとう、ございます」
ぎこちなく行人は笑い返した。沈黙が落ちて、予鈴の音が響く。戻るなら、これがデッドラインだった。なんだかんだと言ったところで、行人は体調不良以外で授業を休んだことはない。だから、休んだら、たぶん、少なくとも岡は気にするだろうな、と思う。成瀬の邪魔をすることになるともわかっている。
なのに、糸が切れたみたいに、心が教室に戻りたくないと駄々をこねているみたいだった。
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