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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 2-8
まぁ、でも、と変わらない穏やかな調子で成瀬は続ける。
「そういうとんでもないやつもたまにいるけど、基本的にはみんな勉強して、行きたいところを選ぼうとしてる。そういう時期だからね。茅野だって、向原だってそうだよ」
言われてみれば、それもあたりまえのことだった。ですよね、と小さな声で同意を示す。
「ごめん。行人の話だったのに、説教くさくなったな」
「あ、いえ……」
どう言ったらいいのかわからないまま、行人は首を振った。そうしてから、ぽつりと付け足す。たまに呆れたふうに高藤が言ってくることと本意は同じなのだろうなとわかったからだ。
「その、本当にそうですよねって思って。最初からなんでもできるわけじゃないですもんね」
「そう、そう。だから、皓太にも、頼りながらうまくやっていったらいいって言ってるんだけどね。あいつ、すぐ、自分でぜんぶやろうとするから」
そのほうが手っ取り早いって思っちゃうんだろうな、と言った苦笑まじりの言葉の格段のあたたかさに、自然と笑みが浮かぶ。
「ですよね」
「うん。だから、行人がうざいんじゃないかなって思うくらい、お節介焼いてあげて。たぶん、それでちょうどいいくらいだから」
「……はい」
「最近は、行人もだけど、荻原にも助けてもらってるみたいで。そこは本当にちょっとほっとしてるんだけど。行人はどう?」
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