「わかるよ、今は。なんとなくならね。でも、それは、……なんていうのかな。経験値からの予測というか」 「経験値の予測」 　それも、まぁ、そのとおりなのかもしれないけれど。幼馴染みだから、とかじゃないんだ、と思っていたことが顔に出ていたのか、また少し笑われてしまった。 「付き合いが長いから、とか、幼馴染みだから、とか、そういう言い方でもいいんだけどね。まぁ、でも、そういうこと」 　だから、と成瀬が続ける。 「なんとなくならわかるって言ったけど、今は予測がつくから、大枠は外れてないだろうってこと。そういう意味では中心に絞るとけっこう違うかもな、とも思ってるし、これからますますわからなくなっていくんだろうなとも思ってるけどね」 「ますますわからなくなる、ですか？」 「うん。だって、もう俺の影響だけ受けてる皓太じゃないから」 　向原とか篠原とか茅野とか、そういう俺の周囲だけじゃなくて、呉宮とか、それこそ、荻原とか、行人からもね、と言って、にこ、と彼がほほえんだ。 「でも、それが成長だよね」