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パーフェクト・ワールド・エンド3-8

「俺が何を言ったところで、おまえは好きに動くだろうが、それも、まぁ、お互い様だ」 「それはそうだな」  「だが、まぁ、友人としてのお節介も一つくらいはしておこうかと思ってな。その方が、まぁ、なんだ、俺の肩の荷も多少は降りる」  降ろすどころか、日が経つにつれ、抱え込むものが増えてばかりいる気もするが。黙ったまま、続く言葉を待つ。 「あいつは、そう素直におまえが目論んでいる通りには動かんと思うぞ」  目論む。向原は思わず笑った。 「知ってる」  誰よりも、きっと、一番に。思い知っている。期待して、失望して、それでもやはりと期待して、裏切られて。そんな意味のないことをこの数年のうちに何度繰り返したか知れない。  それもこれも、自分の勝手ではある、けれど。

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