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パーフェクト・ワールド・エンド4-2

「あと、……そう言う顔をされる方が迷惑」  なんでもない顔で四谷が微笑んで、前の席に腰かける。いつもの不愛想な顏を維持したつもりが、出来ていなかったと言うことで。 「……ごめん」  一泊置いて謝った行人に、四谷が肩を竦めた。 「だから、良いってば。と言うか、まぁ、分かってたことだし」 「分かってたって」 「まぁ、なんだかんだで高藤は昔から榛名に一番優しかったし。勝てると思ってたわけでもないし」  嘘を吐いている、と言う事実に、罪悪感がチクチクと刺激されるどころか、頭の上からのしかかってきているようだ。 「それに、べつに、榛名のことを嫌いなわけではないし。良いよ」 「うん」  ごめんとはさすがに言えなかった。そして、改めて思う。  ――と言うか、四谷だけじゃないよな。  行人だって、知っている。同室者の人気があることくらい。  後輩や同級生や。あるいは先輩にも。告白されていたらしいことは、本人が言わずとも、噂に疎い行人の耳にも入ってきていた。  今まで誰かと付き合ったりなどしていなかったのは、高藤がアルファに珍しく、同性を恋愛対象にしていない性思考だからだっただけだ。  ――それを、俺がこうして独占してることで、……おまけに、実際はそうではないのに、傷ついているヤツはいっぱい居るわけで。  それを、あいつ自身が歯牙にもかけていないのが、何か、より一層腹が立つ、とはさすがに高藤にも言えないが。

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