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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 3-4

 ――たぶんだけど、成瀬さんあたりになんか言われたんだろうな。  べつにいいんだけど。いいんだけど、なんで、あいつは、成瀬さんに言われたことをああも鵜呑みにするんだろうな。いや、もう、本当にいまさらなのでべつにいいんだけど。 「それならいいけど。ちゃんと落としどころ提供してあげたほうがいいと思うよ。榛名ちゃんが懐いてる三年生、そういうタイプばっかりじゃん」 「まぁ……」  それもそうかもしれないが、先輩後輩と同級生とではまた違うことにしておきたいところだ。主に自分の逃げどころとして。  不承不承で応じた皓太に、「まぁ、でも」と荻原はさらりと笑った。 「生徒会には代わりに俺が顔出してあげるよ」 「いや、べつに」 「ちょっと話したいこともあるし。――あ、予鈴鳴るね」  その言葉とほぼ同時に予鈴が鳴り、荻原が前を向く。中途半端に会話を打ち切られたかたちとなり、釈然としないまま、皓太も教科書を開いた。  ――ちょっと話したいこと、か。  教室でも、あるいは、寮でもしにくい話に違いなく、あの人たちが生徒会室で悪巧みをしていた理由をいまさらながらに痛感する。この学園で完全に人の目のつかないところなんて、なかなか存在しないのだ。

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