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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 3-6
案外と榛名はそういうところが単純というか、さっぱりとしている。それ以降のことでと考えると、ついつい嫌な方向に進んでしまう。あまり考えたくはなかったのだが、いつまでも逃げを打っていることはできそうにない。それに、すべきでもないのだ。
――説明にも言動にも矛盾はなかったけど、ちょっとタイミング良すぎたんだよな。
もう数ヶ月前のことになるが、校内で榛名が倒れたときのことだ。たしかに、あの時期は見回りと称して風紀委員がよく校内を巡回していたが、それにしても倒れてすぐの現場に居合わせるのはタイミングが良すぎるだろう。
自分を呼びに来た四谷の焦って蒼白だった表情に嘘はなかったと思いたいものの、あの状況で自分を呼ぶという選択が最適だったかというと、皓太にはそうは思えない。
なにせ、呼びに来た四谷自身が「誰か三年生を呼んだほうがいい」と言ったくらいだ。
――いや、まぁ、そのとおりではあるんだけど。
そのほうがよかったとわかっているし、自分ひとりで言っても難しかっただろうことはわかる。ただ。その忠告を無視して自分がひとりで行ったとしても、忠告に従って自分が「誰か」を選択したとしても、風紀のとある人にとって、なんだかものすごく都合が良かったのではないかと思うというだけだ。
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