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パーフェクト・ワールド・エンド5-2
視界の端で篠原が嫌そうに頭を振っているのが分かったが、無視をして続ける。
「本尾は、そう言った職権乱用は、あまりしないからね」
「よくご存じなんですね」
「なんだかんだで、もう六年の付き合いになるから」
「だとすれば、あの人が望んでいることも、すべてお見通しの上で、気が付かないふりをされているんですか」
――本尾が望んでいること、か。
「さぁ」
だからおまえは傲慢だと言われるのだと。評される顔で二つ年下の少年を見上げる。同い年のはずの幼馴染みとは、随分と持っている空気が違う。良くも、悪くも。
「どうだろうね」
「水城」
好戦的な雰囲気をこれ以上続けられてたまるか、とばかりに、篠原が口を挟む。
「ここに長居してると、会長に苛められてるんじゃないかって心配されるぞ。早く戻りな」
「そんな……」
「おまえの取り巻きは、そう考える連中ばかりだろ、だから、な」
まるで、宥めすかすような調子だ。篠原のそんな声は、あまり聞いたことがない。楓寮ではいつもこんな感じなのだろうか。そう考えれば考えるほど、滑稽ではある。
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