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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 4-1

[4] 「オメガってみんなそうなの? すぐに周りを取り込んで、味方につけて。本当いいご身分だよね。それがオメガのフェロモンってやつ? 結局、榛名も水城と一緒じゃん」  予想していたより何倍もきつい言葉に、行人は言葉を失ってしまった。賑やかだった昼休みの教室が、しんと静まり返る。クラスメイトの視線が自分と四谷に深々と突き刺さる感覚に、視線がどんどんと足元に落ちていく。  そんなことはないと毅然と言い返すことも、なんでそんなことを言うのかと怒ることもできず、一度外してしまうともう一度目を合わせることもできなかった。  なんで、そんなうちに籠もった態度を取ってしまっているのか自分でもわからなくて、でも、なにを言えばいいのかがわからない。  唯一わかっていることは、自分がまたなにかを間違えて、四谷を苛立たせているということだけだった。 「言いたいことがあるなら言えばいいのにいいのに」 「ちょっと、四谷」  呆れ切った四谷の態度を見かねたらしく、やんわりと岡が宥めにかかる。その声さえも、どうにも居た堪れなかった。一段と呆れた調子で溜息を吐かれ、冷たい指先を握りしめる。 「悪者にするのもうまいんだね。べつにいいけど」  言いすぎだろうというようなことを岡が擁護してくれていることはわかったものの、やはり、なにも言うことはできなかった。

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