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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 5-7
「……なんか、すごい勉強してるね」
寮の部屋を出たときとまったく同じ姿勢で榛名が黙々と机に向かっていたので、思わず阿るような声を出してしまった。サボっているだとか、怠けているだとか、そんなふうに思ったことはないけれど、どちらかと言わなくとも、いつも嫌々最低限をやっているというふうなのに。今日はなんだか、やたらと張り切っている気がする。
案の定というべきか、いっさい顔を上げないまま、うん、と榛名が応じた。岡には言わなかったものの、やっぱり、この、謎の猪突猛進な感じのほうが、皓太にとっては、正直なところ、四谷とのもめごとよりもはるかに怖い。
――それも良さだって思ってたし、いや、今もべつに思ってないわけじゃないけど、変なとこでまっすぐなんだよなぁ。
それが悪い方向に暴走しがちなところはどうかと思うが。
「自分にできることはしとこうと思って」
「あぁ、……まぁ、して損はないと思うけど」
としか、もはや言える言葉はない。
「そういうところきちんとしておかないと、ひとつ悩んだらぜんぶぐずぐずになりそうだし」
どうした、おまえ、という突っ込みは、直前でどうにか呑み込んだ。馬鹿にしているわけではないが、言っていることが、ちょっとまともすぎないか。まともというか、やたら建設的に前向きというか。
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