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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 5-12

 ――まぁ、でも、四谷が孤立しそうっていうのは荻原に任せるとして。その代わりってわけじゃないけど、この部屋の鍵の件については、ちょっと鎌かけてみようかな。  こちらについては、一応自分も当事者のはずだ。過剰に文句を言われる筋合いはない。  寮生と揉めたいわけでもないし、疑いたいわけではないが、そんなことばかりを言っていることはもうできない立場なのだ。そう、改めて皓太は自分を言い聞かせた。  もちろん、できる限り穏便に済ませるつもりではいるけれど。  ――成瀬さん、そういう塩梅、昔からめちゃくちゃうまいんだけどな。  他人を煽るのがうまいということは、機微を読んで他人を懐柔することも、自分の求める落としどころに誘導することもうまいということだ。  あの幼馴染みであれば、どんなふうに対処するのだろうか、と。聞いてみたい甘えもあるけれど、あまり頼るなと茅野に釘を刺されたあとだ。  推測ではあるけれど、たぶん、茅野の忠告は、どうにもならなくあったあとでも今ならフォローをしてやるから、そこまではなんとか自分たちでやれ、ということなのだと思っている。  まぁ、もっと、純粋に、これ以上の面倒ごとに成瀬を巻き込んでやるなという配慮であった気はするけれど。  どちらにせよ、榛名もがんばろうとしているのだ。自分がやらない理由はないと皓太は思い決めた。  

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