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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 6-4
「俺のこと心配してくれてるんだったら、それはありがたいとは思うけど、でも、俺のためじゃない」
呆気にとられた顔の面々を見つめ、行人は立ち上がった。また無駄に感情的になって、と。高藤にバレたら言われるだろうなとわかっていたし、所詮、自分だ。変えるべきところは変えようと思うし、これからのためにがんばろうとも本当に思っているけれど、でも、間違っていると思うことを言わないことは、やっぱり違うと思った。
収まらない感情を持て余したまま、出入り口に向かう。うしろで「なに、あれ」と困惑し切った声が聞こえたが、聞かなかったことにして。
「あ……」
教室のドアを開け、すぐそばの角を曲がった瞬間。ぶつかりそうになった相手を見とめ、行人は息を呑んだ。
「四谷。……え、っと」
自分を見ても逃げはしなかったものの、四谷はものすごく気まずそうに視線を逸らしている。自分の声は、たぶんそれなりに大きかったはずで。それで、ここに立ち止まっていたということは、たぶんではあるけれど、ドア付近にいたところを急いで移動したのではないかなぁ、という予測が立つわけで。恐る恐る問いかける。
「もしかして聞いてた?」
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