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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 7-3
「っていうか、それって、結局あれでしょ。榛名ちゃんに頼ってほしかったってことだよね」
「…………いや」
「なんていうか、高藤も、思ってたより不器用だよね。こんなこと言うとあれだけど、俺、もっと、会長……違った、ごめん。成瀬先輩みたいになんでもさらっとスマートにこなして、他人からの好意もあっさり受け流して、それで終わりってタイプだと思ってたな」
否定できないものの、なかなかな言いようではある。再び黙り込んだ皓太に、はたと荻原は取り繕った。
「あ、これ、悪口じゃないからね。どっちに対しても。モテる人間は、それくらいじゃないとしんどいよね、みたいな意味というか」
「うん、ありがとう」
「うわぁ、棒読み」
困ったように苦笑して、荻原が続ける。
「まぁ、でも、さぁ。これは半分以上、俺のお節介だし。高藤にはちょっとわからない感覚かもしれないけどさ。誰かに本気で告白するのって、高藤が思うよりずっと勇気のいることだと思うよ」
「なんで、その話」
「なんでというか、俺の中では繋がってる話なんだけど」
繋がっている話。それは、もしかしなくても、自分が榛名に告白をしたいとでも考えているのだろうか。そういうつもりで愚痴をこぼしたわけではなかったのだが。
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