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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 7-5
――そういう話を聞きたかったわけじゃないんだけどなぁ。
なんてことは、荻原の顔を見ていれば、言うべきでないのだろうなぁとわかったので、それも口にはしなかったけれど。
対人関係の云々について榛名に偉そうなことを言っておきながら、自分もべつにそこまで他人に興味を持っていない。最低限の自覚はしていることで、いつだったか「視野広いくせに、変なところ狭いよな。おまえの交友関係、チビのころから変わってないだろ。おまえの中心、結局ずっと成瀬の背中」とまで篠原に言われた覚えもある。言われた当時はさすがにショックは受けたものの、それはさておいて。
……まぁ、たしかに、以前と違って、四谷のことをただ苦手だと思ってるわけではないし。
思うところがないわけではないものの、それはお互い様だろうし、世話にもなっているし。十把一絡げみたいな対応をするのは不義理なのだろうな、とも思う。でも、それを他人にわざわざ言われたくないというか。悶々としたまま、生徒会室の戸締りをして、廊下を進む。
肌に伝わる寒さに、靴を履き替えて外に出たところで、皓太は日が落ちることが早くなった空を仰いだ。たしかな冬の気配がすぐそこまで近づいている。
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