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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 7-8
「こんなことを言うと、元も子もない気もするけど。でも、正直、相手によるかな」
「……まぁ、そうだよね」
それはそうだろうと皓太は認めた。そうして、ついでに、誤魔化すことなくまともに答えてくれる気があるのだろうということも。
「ちょっと話は変わるけど、ごめんな」
「え? なにが?」
「いや、皓太のそれ、俺のせいもあるのかもしれないなと思って。昔、言ったろ。まともに取り扱い続けるとしんどくなるから、ある程度は流してもいいって」
そういえば、言われたような。それも随分と昔のことではあるけれど。苦笑ひとつで、そんなことないよ、と否定する。
「たしかに言われたかもしれないけど。それここに入る前の話でしょ。そんな小さいころに言われたことを素直に引きずって、自分でなにも考えてなかったんだとしたら、俺の責任だよ」
「そっか。まぁ、そうだよな」
「そうだよ。……って、なに。そんなにしみじみと」
生ぬるい視線に晒され、皓太は軽く眉を寄せた。どうせ、大人になったなぁ、などと保護者じみたことを考えているのだろうが。たかが二才。されど二才。目線がどれほど近づこうが、まだしばらくはこういう扱いなのだろうなぁと半ば諦めている。
「行人もだけど、皓太もこの一年でしっかりしたなぁと思って」
「……一緒にされたくないんだけど」
「どっちも大事っていう意味では、俺の中では一緒だよ。安心してる」
でも、そうだな、と笑って、成瀬は話を戻した。
「たとえばだけど。そういった俺が大事にしていて、――まぁ、なんだろうな。表面的な部分だけじゃない俺のことも知っている子が、『好き』って言ってくれたとしたら、その子の本気に向き合いたいと思うかな」
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