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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 7-9
「そっか」
淡々と頷きながら、期待した以上にまともだったな、と皓太は思った。まともというか、それなり以上に本音で答えてくれているというか。同時に、でも、とも思った。
この人が向き合いたいと思う程度の、表面的でない部分を知っていると認める相手は、どのくらいいるのだろう。たとえば、一見、完璧に見えるこの人を当然と注意することができる同級生か。
――でも、それだったら、「子」なんて表現使わないか。
じゃあ、誰を想定していたんだろうと考えているうちに、話は続いていく。
「逆にって言うとあれだけど、外面ばかりを見て『好き』って言われても、……それがその子にとっては本気だったとしても、『ありがとう』としか俺は思えないから。そうなると、一律的って評される対応になるかもしれないな」
たぶん、いつも。さらりと後腐れがないように、成瀬が取っている対応。そういう人だったよなぁと素直に納得するそれで、ありすぎるくらい見覚えのあるもの。けれど、この人がそのいつもから外れたイレギュラーな対応をする年下の相手が、自分以外にもひとりいることを皓太は知っている。
どれほど懐かれても、ある一線は越さないようにさりげなく距離を教える人だということも、知っていた。だから、ずっと少し不思議だった。なんで、こんなに、まっすぐに榛名のことをかわいがるのだろうと。
恋愛というような感情がないことは知っていても。
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