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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 7-11

 選挙の準備を通じて、櫻寮の一年生フロアの談話室には再び人が集まるようになり、にぎやかに戻った雰囲気は、選挙が終わった今も継続したままだ。  わかりやすいヒエラルキーだよね。寮生委員としては、喧嘩っ早いハルちゃん過激派が占領してたころよりは、楽だけどね、と荻原がこぼしていたことがあったけれど、そのとおりだと皓太も思う。  少なくとも、表面上は落ち着いているということ。部屋に向かう前にちらりと覗いた談話室には四谷の姿もあった。榛名はいないようだったものの、すぐそばには岡や朝比奈がいる。中等部時代、よく見た光景。  一度はこじれたのだ。お互い――とくに四谷には思うところがあるだろうに、仲の良い友人という元通りのかたちに収まったらしい。寮内でもめごとを増やしたいわけでもなし、ほっと安堵する気持ちが大きい反面。少しだけ意外だという驚きもあった。  意外と表現するほど、四谷のことを知っているわけでは、たぶん、ない。ただ、皓太にとっての四谷のイメージは、良くも悪くもプライドが高く、それなり以上に計算高いというものだった。はじめて水城を見たとき、誰に似ているかと言えば、四谷だろうな、と思った程度には。  ――でも、だから、苦手だったっていうわけじゃないと思うんだけど、どうだったかな。

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