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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 7-16

「そうだよね」  同じ相槌を打って、わずかの沈黙のあと。改めてというふうに四谷は口火を切った。 「じゃあ、これも、きっと知ってると思うんだけど」 「うん」 「俺、ずっと高藤のこと好きだったんだ」  知ってたよね、と続いたそれに、うん、と素直に認める。知っていた。知っていて、面倒に感じていて、もめごとを増やしたくもなかったから、告白されるようなタイミングはつくらないようにしようと思っていた。  どこかすっきりしたふうに、けれど、隠しきれない緊張をはらんだ表情に、自分はやはり感情に対して不誠実だったのだろうなと悟った。  自分はそうでないのに感情をぶつけられても面倒なだけで困る、と。そう思っていたけれど、空想のような好きであれ、なんであれ、言葉にして本人にぶつけるということは、あたりまえに勇気のいることだ。 「それで、……その、さっきも言ったけど、榛名と付き合ってるっていうのが嘘だっていうことは知ってるから、それを理由にしないでほしいんだけど」 「うん。わかった」  今までのことはどうにもならなくとも、せめて今回は誠実に向き合おう。四谷のためにも、荻原や、榛名のためにも。自分に言い聞かせ、皓太は言葉を選んだ。

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