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パーフェクト・ワールド・エンドⅣ 7-18
「榛名は言わないと思うけど」
「言わないって、なんで? 自分からそういうこと言いそうにないってこと?」
「ええと、その……、四谷の言ったとおりで、振りだから」
拒絶をされないのであれば自分のできることで助けようと決めたのは、頑なな言い方をすれば皓太の勝手であって、榛名が受け入れたのは、最善だと判断をしたからだろう。もちろん、ある程度以上の信用が根底にあることは承知しているが、それだけだ。
というようなことを、誤解のないように説明をしたつもりだったのに、四谷の表情がなぜかどんどんと怪訝なものになっていく。
「高藤、それ、本気で言ってる? 俺に気を使ってるとかじゃなくて」
「本気というか、事実なんだけど……」
「事実。事実ね、そうか」
なるほど。気を使っていると捉えられる可能性があったのか。なんとも言えない調子で繰り返す四谷を尻目に、皓太はそう得心した。
考えるように眉を寄せていた四谷が、妙に恐る恐るというふうに口を開く。
「最後に、もうひとつ聞きたいんだけど。俺に『ごめん』って言ったのは、ほかに好きな相手がいるからじゃなかったの?」
ほかに好きな相手。浮かびそうになった顔を打ち消すように黙り込んだ皓太に、「なんだ」と四谷は破顔した。
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