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パーフェクト・ワールド・エンドⅤ 0-4

「だから、仲が良いんですか?」 「そうだな。気が短いやつよりは、気が長いやつのほうが楽は楽だけど。それより、行人は? 仲直りしたって言ったわりにこんなところにいるけど。生徒会室、顔出しにくいの?」 「あ、……いや、その」  きれいに話を流された上に、目を逸らしていた部分を聞かれてしまい、「えっと」と行人は口ごもった。なんとなく図書室に足が向いた、というのは、自分に都合の良い理由だとわかっている。 「お節介だとは思うけど、行きづらいからって足を遠のけると、どんどん行きづらくなるよ。喧嘩してるわけじゃないんだろ?」 「それは、はい。してない、です」 「よかった」  自分の返事に、にこりと彼がほほえむ。成瀬の言うことは正しく、行人自身も喧嘩をしているつもりではない。ただ、少し落ち着かない気持ちがどこかにあるというだけで。  ……なんか、俺、こんなのばっかだな。  後悔しないようにしようと決めたつもりで、少しは成長したつもりで、でも、実際はきっとほとんどなにも変わっていない。 「大丈夫だよ」  ぐるぐると同じところを巡る行人の内心などすべて承知しているふうに、成瀬は言った。 「行人も、皓太も。少しずつでもちゃんと進んでるから」

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