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パーフェクト・ワールド・エンド6-1

[6] 「生徒会?」  思わず嫌そうな声を出してしまったが、あぁ、そうかと思い至ってしまえば、引っ込めざるを得なかった。  最近の櫻寮は、入寮したばかりのころを思えば、信じられないほど空気が張りつめている。誰の目から見ても空気が悪いと言うよりかは、「普通」を誰もが演じていて、その歯車の一つが狂った瞬間に、割れてしまいそうな雰囲気だからより性質が悪い。  その原因の一端を担っている幼馴染みは、いつもの顔で申し訳なさそうに微笑んだ。  周囲に人はいないとは言え、食堂だ。誰に聞かれてもおかしくない場所でこの話題を振ってきたと言うことは、聞かせたいのだろうけれど。 「それって、……向原さんが辞めるってこと?」  あの噂は本当だったのか、と溜息を呑み込んで問いかける。 「やっぱり、もう噂になってる?」 「なってる、と言うか、ならないわけがないと思うんですけど」 「だったら、話が早くて助かる。その通りで、だから、補選になるんだけど。このタイミングで三年を採るのもどうかと思うし、だったら、皓太の方が良いかなって」 「良いかなって……」  「もちろん、無理にとは言わないけど」  と、言いながらも、俺が頷くのを分かっている。付き合いが長くなれば、そのくらいのことは感じ取れるわけで。皓太は眉間に皺を寄せた。最後の抵抗だ。 「他に手を挙げる人はいないんですか。二年生とか」 「さぁ。いるかもしれないけど、いても、通らないと話にならないし」  それは、俺が出るならば、通るように裏からも手を回してくれると言うことか。けれど、それよりも。

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