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パーフェクト・ワールド・エンド6-4
「そう言えば、おまえ、ここに入ってすぐくらいの頃にもそれ言ってたな。懐かしい」
「忘れてよ、いい加減」
さすがに、三年も前の話を持ち出されると恥ずかしい。
「そもそも、俺が何を言わなくても、篠原だって向……、向原も、知ってたのに」
声がぶれたのは本当に、一瞬だった。馬鹿みたいだ、とはさすがに言えないけれど。
「あのさ……」
「あ、茅野。ちょうど良かった」
皓太の呼びかけを自然と遮るように、成瀬が手を上げた。食堂に姿を現した茅野は嫌な予感でもしたのか、眉を眇めている。
「なんだ、その組み合わせは。おまえ、もしかしなくとも、取ったな」
「まだ取ってはないけど、そうしたい」
「おーい、高藤」
恨みがましい声に、皓太はつい愛想笑いを浮かべてしまった。
「言ったじゃないか、四月にも。こいつが生徒会に引き入れたがっているところを勝負してまで寮生委員会にもらったと」
「だからそれが、そもそも皓太の意思を無視してるって話じゃ」
「おまえにだけは言われたくなかったぞ、それは」
呆れた溜息一つで、茅野が空いていた席に腰を下ろした。
「それで、じゃあ、なんだ。今回は高藤の意思で出るのか、生徒会補選に」
「はぁ、そのつもりで」
「向原の後釜に、か」
じっと見据えてくる瞳の強さに負けまいと頷く。あえてその名前を出した意味も分からなくはなかったけれど。
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