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パーフェクト・ワールド・エンド6-8

「すみません。お先に失礼します」 「高藤」  立ち去る手前で茅野に呼び止められて、皓太は足を止めた。 「おまえの後は荻原に見させるとして、荻原の後に榛名はどうだ?」 「榛名、ですか?」  予想外と言えば予想外の名前に、応じる声が微かに固くなる。成瀬も意外だったのか経過を見守るように茅野を見ている。 「そう。どうだ?」 「どうって……、まぁ、問題ないんじゃないですか。本人がやると言うなら。荻原が面倒を看るでしょうし」  あいつは、榛名のことを気に入っているから。自分で言っておいて、なんだか嫌な風にちくりとした。  ――でも、実際、そうだよな。同室だったから俺が率先して面倒を看ていたってだけで。そうじゃなくても。  俺じゃなくても、あいつの面倒を看ようと思う人間はいくらでもいる。それを榛名が受け入れようとしていなかっただけで。 「榛名も、荻原にはそれなりに懐いてますから。案外、上手くいくんじゃないですか」  成瀬と茅野が顔を見合わせていたような気もしたが、皓太は今度こそ食堂を後にした。

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