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パーフェクト・ワールド・エンド8-9

「そう言うわけじゃない、ですけど」 「それはそうか。皓太だもんな」  あっさりと成瀬は頷いた。 「あいつ、優しいだろ。真面目で、俺が言うのもなんだけど、アルファにしてはどうなんだって言うくらいまっすぐで。自分よりも誰かを自然と優先できる」  だから、高藤を選べと言っているのだろうか。疑いながら、行人は違う言葉を選んだ。 「だから、あいつを選んだんですか。生徒会に」 「俺だけじゃないよ。篠原も皓太が良いって推してた」 「……」 「茅野も、寮生委員会から手放すのは惜しがってたけど。皓太がやる気があるならって了承してくれた。適正だって思ったんだろ」 「成瀬さんは?」  はぐらかされるかと思ったが、そうはならなかった。 「それは、そうだな。皓太だったら、今を維持してくれるだろうから、有り難いなと思ったよ。俺にも今をつくった多少の責任はあるし。それに」 「それに?」 「行人がいるから、皓太は断らないと思った。だから、推した」

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