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パーフェクト・ワールド・エンド9-3

「あのさ。俺も本当にこんなお節介したくもないし。少し前に向原さんにもうっかりお節介しちゃって、軽く流されたばかりなんだけどさ」 「なに?」 「祥くん」  わざわざ呼称を変えて、小さく笑う。心配を隠さない顔で。 「向原さんと、仲直りしたらどうかな」  まるで幼いころのように。問われたそれに、答えを失ってしまった。 もう、そんな話ではなくなってしまっているのだ、きっと。けれどそれは、成瀬が自覚するよりずっとずっと前からだったのかもしれない。 「心配かけて、ごめん」  笑みは歪なものにしかならなかったと思う。それでも、それ以外の何をも言えなかった。 「でも、喧嘩してる訳でもないんだ」  喧嘩であれば、仲違いを正すことも出来たかもしれない。これは喧嘩にすらなっていない。そんな対等なものじゃない。  俺が怒らせて、傷付けた。けれど謝ることも出来ない。 「向原さんは、祥くんのこと、好きだと思うよ」  それがどう言う意味合いのものを含んでいるかは考えたくなかった。だから、そっと笑みを浮かべた。皓太の反応から判ずるにきっと失敗していたのだろうけれど。 「知ってる」

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