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パーフェクト・ワールド・エンド9-4

 初めて逢ったころから、特別な人間だと感じていた。自分とは違う。それは当然としても、他のアルファと比べても突出した存在だと思っていた。そしてそう感じていたのは、自分だけではない。この学園の誰もがそう思っていたはずだ。  そんな人間と対等であると思っていたことが、そもそもの誤りだったのかもしれない。 「俺たちが入って来たころに比べると、変わったよな」  中等部も残すところあと一年となり、向原や篠原と生徒会に入った。自分たちが学園を変えていると言う傲慢な実感があのころはあった。  そしてその体制になってから初めての新入生は、幼馴染みがいると言うことをさておいても可愛かった。 「まぁ、そうだな」  生徒会室の窓から外を覗く。ちょうど新入生の一群が歩いているところだった。みんなまだ表情もあどけない。隣に並んだ向原の視線が一人に向く。 「良かったな、皓太。同じ寮にしてやれて」 「その言い方。俺が裏から手ぇ回したみたいに聞こえるだろ。してないからな」 「これ見よがしに茅野に言ってただろ、おまえ。幼馴染みだとか。心配だとか」

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