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パーフェクト・ワールド・エンド10-2
「お。なんだ、高藤。久しぶりだな」
「茅野、さん」
だから余計に、だったのかもしれない。廊下で鉢合わせた茅野の、全くと言っていいほど変わらない笑顔に力が抜けた。
「どうだ。なかなか大変だろう。生徒会も。と言っても、おまえは中等部での経験もあるしな、多少は慣れているか」
たまには付き合えと引っ張ってこられた先は、特別フロアの談話室だった。元々の在籍人数が少ないと言うこともあるのだろうが、他の階と比べて、どこか冷たく静かな気配に満ちていた。
「でも、やっぱり中等部とは違いますから。おまけに、なんと言うか」
「濁さなくてもいい。今のシステムは、成瀬と向原が好き勝手に変革させた代物だからな。――にも関わらず、その片割れがいきなり投げ出したんだ。皺寄せがひどいに決まっている」
言い切った茅野に、思わず苦笑が漏れる。似たような台詞は何度も篠原から聞かされていたのだが、生徒会の外から見えも同じ認識であるらしい。
「あいつもなぁ、考えていることが分からないわけではないんだが」
「あいつって、向原さんですか?」
「そうだ。おまえは榛名と違って、向原にもそれなり以上に懐いているし、可愛がられていただろう」
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