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パーフェクト・ワールド・エンド10-14

「きっと、知ってるよ。向原さん」 「え……」 「祥くんも知ってるよ。向原さんが知ってることを」  喧嘩しているわけじゃない、か。今頃になって、その台詞の真意を悟る。確かに、きっと、喧嘩じゃない。喧嘩なんてものじゃない。 「……俺」  分かったような気がする。言いかけた続きを呑み込んで、黙り込む。榛名は肯定しないだろうことも分かっていた。思い当たる節があったとしても、絶対に否定する。  すべてを分かっただなんて、皓太にも言えない。軽々しくそんなことを口にできない。もっと葛藤があったのだと思う。その段階に至るまでに。怖そうに見えても、優しい人だから。冷たいように見えても、情の深い人だから。  誰よりも、あの人を大事にしていたから。昔から、皓太の瞳にはそう映っていた。  分かったような気がする。全部じゃないけれど、あの人の考えていることが。そして同時に、たまらない気持ちになる。  もし、自分の考えていることが正しかったとすれば、この学園は、あの人たちは、どこに向かって転がっていくのだろう、と。

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