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パーフェクト・ワールド・エンド11-6
「おまえなぁ」
保安灯しか光っていない櫻寮の階段を上って自室のあるフロアに足を踏み入れた瞬間、ぬっと茅野が顔を表した。
「毎度、毎度、帰寮時間を過ぎて戻って来るんじゃない」
下に示しが付かんだろうが、と頭の痛そうな顔で茅野が溜息を吐いて見せる。待ち構えていたらしいが、ご苦労なことだ。
「バレてないだろ、どうせ」
「そう言う問題じゃない。いくら俺が隠そうとしたところで、気付くヤツは気付く」
「まぁ、それはそうだろうな」
取り立てて向原に隠すつもりがないから、尚更だろう。
「……今日はどこに行ってたんだ?」
本命はそっちだったらしい。それも特に隠すつもりはなかったので、あっさりと応じる。
「安心しろよ」
「篠原のところだから」
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