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パーフェクト・ワールド・エンド11-10
「……向原?」
無理に起こす必要もないか、と見守っていたのは、結局、本当に少しの間だった。ゆっくりと持ち上がった瞳が、こちらを認識した瞬間、安堵したように緩む。寝惚けていたのだとしたら、らしくないし、演技だったとすれば、さすがだとしか言いようがない。
「帰ってたんだ」
「べつに」
関係ないだろ、だとか、興味もないだろ、だとか。どうとでも言えたはずなのに、口から零れたのは、今までと全く変わらないそれだった。
「篠原のところ」
言葉を交わすこと自体が久しぶりだ。そのはずなのに、お互い何もなかったかのように喋っている。それがおかしいのに、妙に似合っていた。
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