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パーフェクト・ワールド・エンド11-13

「そうだな。うん、なんだろう」  判然としない調子を残したままの呟きが、宙に浮かぶ。その視線は、重たいカーテンの更に奥を見ていた。  ――桜。  その先にあるものの見当は、すぐに付いた。櫻寮の名にふさわしい、大木。 成瀬の部屋で、桜の木を見ていた時間が、ひどく遠く感じた。 「最近は、夜が長いかな」  つけ込ませたいのか、それとも、絆したいのか。そう思おうとして、けれど、できなかった。  ――いっそのこと、全部、計算だって思えたら、楽なんだろうけどな。 「だったら、寝てろ」 「はは、まぁ、そうだな」 「繰り返してるうちに、終わるだろ」  何が、とは知れないけれど。淡々と告げた向原に、「そうだな」とまた成瀬が小さく笑った。

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