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パーフェクト・ワールド・エンド12-2

 高藤は、この学園に入学する前から、成瀬のことは勿論、向原のことも知っていたと言う。プライベートな時間も、自分よりずっと多く、あの人たちと過ごしていたことは間違いない。その高藤が、向原は成瀬のことを知っていた思うと確信した声で言った。成瀬も、向原が知っていたことを承知していただろう、とも。 「それって、どう言うことなんだろう」  普通に考えたら、「つがい」だろう。けれど、それはどうにもあの二人の間にイメージできない。「特別」なんだろうとは思っていた。自分が入れないような絆があるのだろうとも漠然と理解していた。けれど、それは――。 「分かんね」  投げやりに吐き捨てて、行人は溜息を吐き出した。高藤は、なんだか腑に落ちたような顔をしていたけれど、何を思ったのかは言ってはくれなかった。  それが、自分たちが口を挟む事柄ではないと判断してのことだったのなら、行人に無理を言う術はない。  向原のことは好きではないが、野次馬根性で首を突っ込んで良い話でもない。  自分が心配するような話でもないのだろうとも。 「でも、違うんだよな」  高藤ほどの長い時間を一緒に過ごしたわけではない。けれど、その代わりと言っていいほど、この学園に入学してからの間、ずっとあの人のことを見ていた。その自分が思う程度には、変なのだ。

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