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パーフェクト・ワールド・エンド12-3

 部屋の鍵を回す音で、行人は机に伏せていた頭を上げた。手元の時計で時刻を確認すると、もう七時近い。 「お帰り。引継ぎ、大変だった?」  つい先日、補欠選挙を終え、正式な生徒会役員になった同室者が苦笑いで首を振る。一時期のことを思えば、多少は態度が和らいだようにも思えて、内心で行人はほっともしていた。  ――こいつまで倒れたら洒落にならないし。  昔から、真面目で責任感の強いタイプだし、要領良くなんでも上手こなしていたけれど。それでも入学して半年も経たないうちから、生徒会の中枢に関わるのは、精神的にも負荷が大きかったらしい。  俺に愚痴なんて言わないのだろうなぁとも分かっているので、積極的に何かを聞き出そうとは思えないんだけど。 「まぁ。でも、ちょっとひと段落かな。なんか、向原さん、篠原さんが匙投げてたところは説明しに来てくれたみたい」 「……へぇ」 「なんだかんだで、面倒見良いからね、あの人も。篠原さんが泣きついたんだろうけど、俺としては助かった」

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