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パーフェクト・ワールド・エンド12-4
「そう、なんだ」
「あのね、榛名」
呆れたと言うよりは、困ったように高藤が言い足す。
「何回も言ってるけど。あの人、そう悪い人じゃないからね。ただ、なんと言うか……、基準の全てが成瀬さんなだけで」
「それはおまえがアルファだから、そう思うだけじゃないの」
向原と同じ上位種で、自分たちとは違うから。刺々しいことを言った自覚はあったが、口にしてしまったものは覆らない。けれど、閉まったと言う顔はしてしまっていたのかもしれない。高藤は気を悪くするでもなく、「あのね」ともう一度繰り返した。
「俺が言うと、偽善に聞こえるのかもしれないけど。アルファでもオメガでもベータでも、それ以前に同じ人間なんだから。自分じゃどうにもならない部分で判断しないで、人格を見ないと」
「……」
「それでいつか後悔するのは榛名だよ」
それはあまりにも正論で。「分かってる」としか答えようがなかった。けれど、と思ってしまうのは、自分が第二の性に劣等感を持っているからなのか。性根が曲がっているからなのか。
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