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パーフェクト・ワールド・エンドΦ-1
[φ]
『この世界は、残念ながら平等ではありません。勿論、誰もそんなことは言わないと思うわ。でも、心の中では誰しもがそう思っているのではないかしら。声高に主張しないのは、レイシストだと思われたくないからで、それだけだわ。だって、あなたがベータだかオメガだかは知らないけれど、私たちアルファのことが羨ましいでしょう?』
「新手の炎上商法なのかな、これ」
ある意味で見慣れた顔が紙面で挑発的な微笑を浮かべている。紙面を通して説教をされている気分になるが、間違いなく気の所為ではない。
「おまえさぁ、なんでそうやって、不機嫌になるくせにわざわざ内容にまで目ぇ通すの?」
同じ寮で、同じ部屋で、そして、在室していることを承知で雑誌を繰っての独り言だったのだから、構われたがっていると思われても仕方がない有様だった。
この学園に十二で入った時は、たった三年で自分がこんな風になるとは思っていなかった。その原因は言わずもがなではあるのだけれど。
「そう言うの、なんて言うか知ってるか?」
同い年なはずなのに、やたらと大人びて落ち着いた声が、静かに笑う。
「毒親」
「……」
「あるいは、洗脳」
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