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パーフェクト・ワールド・エンドΦ-4

「俺もおまえくらいの距離感に変えるべきなのかな」 「変えれるわけがないんだから、止めとけ」   苦笑としか言いようがない調子に、思わず声が拗ねる。 「俺、そんなに頑固?」 「それこそ自覚あるだろ」  ないとは言わないが、向原に言われたくないような気もする。篠原も、頑固なのも退かないのも自分だと言うけれど、それはあくまでも向原がどうでも良いと思っている事柄に関してだけの話だ。向原が本当に退きたくないと思っていることだったら、絶対に譲らない。 「さっきの話で言えば、祥平はコントロールされやすいタイプでもあると思うけど」 「コントロール?」 「自分は何でもできるって思ってるわりに、根本的なところで自己肯定感が低いところ」  向けられた成瀬の視線にも気が付いているだろうに、向原は変わらない顔で静かに笑っていた。 「いつか付け込まれるよ。俺みたいなのに」  それがどういう意味だったのかは、そのときは良く分かっていなかった。その言葉の真意も、表情の意味も。  理解しておけば良かったと悔やんだのは、もっと後になってからだった。

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