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パーフェクト・ワールド・エンドΦ-6
「災難だったな」
「……だから、誰の所為だと。まぁ、良い。まぁ、良いが」
切り替えて、茅野は話を戻した。
「聞きたくはないが、この間の件が絡んでるのか」
「この間?」
「惚けるな。あいつらを追い出しただろう」
つい数日前のことだ。寮で、新入生が襲われる事件があった。幸いにも未遂ではあったけれど。その主犯が、退学になった。
元々素行に問題のあった三年生だったが、本来であれば退学になるほどのことではなかったはずだ。誰かが根回しをしなければ。
「四宮も轟も風紀の所属だったからな」
本尾が付け入る隙を与えたわけだ、とはあえて口には出さなかったが。向原が薄く笑った。
「人聞きの悪い。学園側が決めた正当な処罰だろうが。それに、おまえも問題児が居ない方が楽なんじゃねぇの」
「ある意味で、うちの寮の一番の問題児はおまえと成瀬なんだがな」
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