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パーフェクト・ワールド・エンドΦ-8

「骨は折れてはなかったがな」  だからと言って、軽傷だとは言いたくない有様だったのだが。溜息を吐いて、軽く睨む。 「成瀬があそこまでやるとは、俺には思えないんだが。おまえが止めを刺したんじゃないのか」  そうだと言われても、今更どうにもならないことではあるので、どうでも良いのだが。強いて言うなら、ただの興味だ。寮長としては、知っておいた方が良いとも思うが、それはそれだ。 「だったら?」 「そうくると思った」 「思うなら聞くなよ」 「万が一があったら、ラッキーだろう」  面倒になってきて、おざなりに続ける。この男の考えは読めないが、ある一つのことだけなら分かる。 「あいつらは、そんなにおまえの逆鱗に触れるようなことでもしたのか」  向原はこう見えて、気が長いし、滅多なことじゃ切れたりもしない。その程度のことは、三年目になる付き合いで分かるようになってしまった。  ふっと向原が笑った。

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