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パーフェクト・ワールド・エンドΦ-9

「おまえなら、どうするんだろうな」 「どうも何も決まっている。寮則に則って適正に処罰する。それだけだ」 「それが誰であっても?」 「当たり前だ。おまえが俺をどう思っているのかは知らんが、一応、寮長だからな。誰に対しても公平であろうとは思っている」 「まぁ、じゃあ、おまえはそうなのかもな」  自分で聞いておきながら、なんだその投げやりな物言いは、と。思わなくもなかったが、言いたいことは分かった。 「つまり、おまえも本尾も、公平じゃないからこうなっていると言いたいわけか」  公平ではない、と言うよりかは、特定の人間に固執している、と評する方が正確かもしれないが。  向原にとって成瀬が特別であるように、本尾にとってのそれは向原だった。以前、珍しく面倒だと言う顔を隠さないまま成瀬が言っていたことがある。向原が相手をしないから、本尾が自分に構ってくる、と。  気の毒に、と同情するのと同時に、歪だとも感じた。誰の誰に対する感情が、とは言わないけれど。

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