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パーフェクト・ワールド・エンドΦ-12
篠原としてはこれ以上の面倒事は避けたい。
「と言うか、逆に聞きたいんだけど。おまえ、あいつらにお手て繋いで仲良くして欲しいわけ?」
気持ちの悪い絵面しか思い浮かばないのだが、成瀬の脳内ではそれが自然なのだろうか。沸いた恐ろしい想像に、つい篠原は尋ねてしまった。
「そう言うわけじゃないけど。でも、あいつらって、結局のところで似てると思うし、腹でも割ったら仲良くなりそうなのにって思って」
「俺はどちらかと言うと、おまえと向原が似てると思うけどな」
「まさか」
何の気なしに口にした台詞だったのだが、予想外に成瀬が嫌そうに否定した。怪訝な顔になったのがバレたのか、はっとして成瀬が笑った。いつもの顔で。
「あいつの方が、俺よりよっぽどできるだろ。その気がないだけで」
「俺からしたらおまえも向原もどっちも異次元だ」
昔から向原は面倒なのか、一番に立ちたがらないところがあるのは否定しないけれど。だからと言って、成瀬より格段にできると言うことはないだろうと篠原は思う。似たようなレベルだ。
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