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パーフェクト・ワールド・エンドΦ-13

「ごめん、ちょっと言ってみただけ」 「あ、そう」  そう言われてしまえば、それ以上を突っ込む気にはならない。 「と言うか、それよりも、おまえ、今回は結構、本尾がキてたから。本気で余計なこと言うなよ、頼むから」 「ちなみに、なんで今回はこんなに大ごとになったわけ? 人がちょっといない間に」  生徒会交流だとかで、姉妹校に成瀬が顔を出していたのは数日前のことだ。  ――まぁ、その間に不在時のトップが大暴れしてちゃ、なぁ。  とも思うが、それとこれとは話が別だ。 「言わない」 「ってことは、やっぱり、おまえも一枚噛んでんな」 「まぁ、現場にいたっちゃ、いたな」 「ほら見ろ。止めろよ」 「おまえ、俺にあいつが止められると思うのか」  それこそ成瀬よりもずっと昔から向原のことを篠原は知っているが、あの男が誰かの言葉に従ったところを見たことがなかった。この学園に入るまでは。

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