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パーフェクト・ワールド・エンドΦ-14
「そんなことないと思うけど。向原、ちゃんと人の話、聞くじゃん」
「そりゃ……」
「なに?」
おまえだからだろ、と真実を告げようとしたのを呑み込む。どうせ、信じやしないし。きょとんとした顔は、顔だけ見ていれば可愛いの典型だ。動いて喋った瞬間に、その幻想は打ち砕かれるわけだが。
「なんでもね。とにかく無理なものは無理なの。おまえが出来るって言うなら、おまえがやれば良いだろ」
早々に打ち砕かれた方がそいつの為にも良いとも思うので、基本的に篠原は猪突猛進なところのある成瀬の言動を押し止めようとは考えていない。止めるだけ無駄だから面倒だ、と言うこともあるが、好きにしたら良いと思っている。
ただ、本尾に突撃をかますのだけは本尾本人の為にも止めてやった方が良いと思っているので、そこは口を出させてもらっているけれど。
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