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パーフェクト・ワールド・エンドΦ-18

「どっちにしろ、来年もこの調子じゃ寮は離れるだろうし。学内でだけ気を付けてたら良いんだから、気楽だろ」 「……そうだな」  それ以上を言っても意味がないと思ったのか、成瀬が話を変えた。 「俺、割と今までの人生の中で、今が一番、楽しいんだけどさ」 「おまえの人生、楽しくないときなんてなかっただろ」 「そんなことないよ」  顔が良くて頭も良くて、なんでもできる。アルファの見本のような男だ。お上品な顔をしている割には腕っぷしも強い。家も良い。そりゃ、今まで楽しくなかったことなんてないだろう。誰だってそう思うはずだ。それなのに、成瀬は曖昧に笑って否定する。 「それで、それが成り立ってるのって、ある意味で向原のおかげなんだけどさ」  また妙な言い方をするなと確かに思った。一言で言うとするならば、「らしくない」。何がどうとは言えなかったのだけれど。 「だからこそ、たまに思うと言うか」  かみ合わない感覚を払しょくできないまま、篠原は黙ってその先を聞いた。面倒なことを言わなければ良いと、内心どこかで思いながら。 「あいつは、俺の何をそんなに気に入ったのかなって」

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