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パーフェクト・ワールド・エンドΦ-25
「まぁ、でも、一応、その一年のことは俺が気にしとくわ。飴と鞭っての? おまえだと鞭の切れが良すぎるから」
「悪かったな」
「悪くはねぇよ。分かってるから、必要以上におまえは口出してねぇんだろ、……まぁ、その一年には」
苦笑気味に話を篠原が切り上げたのとほぼ同時に、生徒会室のドアが開いた。
「また人がいない間にさぼってただろ」
入ってくるなり眉をひそめた成瀬に、篠原が「違う、違う」と書類を持ち上げた。
「おまえ待ちだったんだよ、人聞きの悪い」
「悪いも何も、いつも二人でさぼってるからだろ」
どこか不機嫌そうに苦言を零して、自分の席に戻る。その席に積み上がっている書類の山を一瞥して溜息まで吐いている。
「寮生委員会との調整、上手くいかなかったのか? 茅野がいるから、なんとでもなっただろ」
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