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パーフェクト・ワールド・エンドΦ-26
「そうやって、すぐ、あいつが俺のこと甘やかすと思ってるだろ」
「ないない。まぁ、向原の鞭はきついなと言う話はしてたけど」
「鞭?」
「おまえが飴でこいつが鞭で上手く折り合いがついてるって話」
分かっているのか分かっていないのか。曖昧な顔で頷いた成瀬に、「それで?」と向原は声をかけた。
「何かあったのか」
理不尽を押し付けられたと言うには、不機嫌が過ぎる。その問いに、成瀬は表情を取り繕いもしないまま、憮然と吐き捨てた。
「最悪な議題だった」
「最悪って。今日は寮生委員会からの簡易報告だけだったんじゃねぇの。ほら、新入生の様子の報告」
篠原が不思議そうに眉を上げる。確かに、その予定だったはずだ。寮の中のことは寮生委員に権限があるから、学内に居る間の調整と言う体で会長に報告がなされているだけのはずだった。
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