403 / 1144
パーフェクト・ワールド・エンドΦ-28
「おまえの言わんとするところは分かるけど、でも、逆に考えれば、そうじゃないってことが書面で証明出来たら、結果的には良いことなのかもよ? 長い目で見たら」
「ここで生活していく上で第二の性に何の意味があるんだよ。誰がどんな性だろうが、関係ない」
硬い声で言い切った成瀬に、篠原が仕方がないとばかりに笑う。成瀬の潔癖としか言いようがない主張も、三年続いた上にトップに立てば、変な奴とは笑い飛ばせない、と言うところだろう。
「結局、おまえの言い分が通ったんだろ。なら良かったじゃん」
「……そもそも、個人情報に関わることだから。実際にその案が通ることはないと思うよ。でも、そう言う声が出るってことは、この学園にもオメガがいるって思ってることと一緒だから」
「駄目なのか? まぁ、実際いないだろうから、意味のない話だけど」
「そうやって、アルファだから、オメガだからって決めつける考えは俺は嫌いだって話」
ともだちにシェアしよう!