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第4話
「俺をこんなところに繋いで、お前たちは何をしたいんだ?」
再び正面を見すえ、目を左右にやると、この場所は見覚えがないとわかる。だが、所詮伴と中井の考えることだ。この部屋は伴のアパートのどこかの一室。広くはないが、窓がなく、閉塞感が漂う。
「何をしたい? んなの決まってるだろうが――」
背後の伴が意味ありげな手つきで霧島の胸を触る。
「――お前を犯してやるよ。俺と中井のふたりでな」
「…………へえ。そう」
「何かねえのかよ、もっと驚くとか嫌がるとか、そういうリアクションしろよ!」
「別にヤられても勃起しないし、お前らの右手と竿が擦り切れるのがオチだぞ」
「勃つかもしれねえじゃん!」
「もし俺が勃起したら――そうだな、何かお前らの欲しいもの買ってやるよ」
「イヤミかてめえ」
伴はそう言いつつも、霧島の胸を撫でる手を止めようとはしなかった。
「あ、ズルい。俺も、俺も霧島イかせたいのに!」
「子供か」
「俺にそんなこと言ってもムダだよ。霧島が俺を蔑めば蔑むほど、俺は感じちゃうから」
「中井はいつのまにマゾになったんだ?」
「鈍いなあ。霧島限定で俺はマゾになるんだよ」
「へえ」
霧島は気の抜けた相槌をした。
「余裕ぶっこいてるのもいまのうちだぜ。俺の舌技がどんなものか、アンタに見せつけてやる」
「それは楽しみだな」
「中井、てめえ下から行く気か? じわじわやってくんじゃないのかよ」
「上は伴にあげる。俺は霧島のちんこが欲しい」
「どうでもいいが、腕が疲れた。早く終わらせろよ」
「うるせえ、お前は黙って喘いでりゃいいんだよ!」
だから喘ぐもクソもないのに。
この男たちにはいささか理解力が足りないらしい。いや、それよりも肉欲と好奇心が勝っていて、霧島の性癖を見失っているのかもしれない。
いずれにしろ、彼らふたりの前戯に溶かされるほど、霧島の身体は甘くはなかった。
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