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第8話
「待たせたな、中井。下準備はできたか?」
「うん、もうお尻どろどろだよぉ……早く挿れて……」
もがき苦しむ伴を鑑賞し終えた霧島は中井に声をかける。手錠を外してもらった礼に、中井の望みを叶えなければならないからだ。
霧島が伴に構っている間、中井は服を脱いで全裸になり、甘い香りのするローションを陰部に塗りたくって、足を広げ、後腔を解していた。
それから伴とふたりで買ってきた袋の中から、霧島の大きさに似ていそうなバイヴを物色し、霧島の到着を待ちわびていたのである。
中井が選んだのはベビーピンクが逆にいやらしい、太くて、やや左曲がりのバイヴだった。
別に自分に挿れるわけではないので、霧島はノーコメントを貫こうとしたが、中井が持っているバイヴに湿り気がないのが気になった。
「それ、ローション塗らなくていいのか? いくらお前でも傷つくぞ」
「いいよ。ちょっとくらい痛くても、霧島にヤられるなら俺は嬉しい」
「まったく、お前はどれだけ俺のことが好きなんだよ」
「それだけ俺は霧島を愛しているんだ」
「愛してる――ねえ」
――陳腐な言葉だ。
「ならばこのバイヴ、お前の上の口でどろどろにしろよ。俺のだと思って舐めればいい」
「おっきい……霧島のも、おっきするとこれくらい大きいの?」
「さあ。勃起したことがないから、わからない」
「じゃあもう一回霧島も脱いでよ。下だけでいいから。勃たなくても霧島のちんこ見るだけでいいから」
「さっき見ただろうが。早く舐めろ。俺ひとりで帰るぞ」
背を向け、帰る姿勢を見せると、中井はじゅぶじゅぶと水音を立て、フランクフルトでも頬張っているかのようにはふはふと口を動かして、霧島に見立てたバイヴを舐めた。
「美味いか?」
「おひしい……ひりひまおあいあうる」
「何だって?」
「ぷは……っ、へへ、霧島の味がするって言ったんだよ」
「嘘つけ。こんなのただのポリエステルじゃないか」
「霧島の味がするのー。ねえねえ、早く、ン、挿れてよ」
「そう急かすなよ、中井――そうだ」
霧島の脳裏に醜悪な悪戯が浮かぶ。
「よう、伴。起きてるか?」
「……ン、うぅ……」
「中井、お前はそのバイヴを自分で挿れろ。俺が見ててやるから。俺は伴の相手をする」
「え、なにそれ、話が違う」
「気が変わった。目の前でこんな姿見せられたんだ。ちょっとくらい、虐めてみたいものだろ、普通」
「う、うう――ッ!」
霧島の瞳の奥に嗜虐の光を読み取った伴は、芋虫のようにバタバタと暴れ出した。
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